このページでは、探究心を育てる環境の作り方について書いています
探究心を育てる環境を作るのに、モンテッソーリ教育の環境の作り方が参考になります。
モンテッソーリ教育では、環境を物的環境と人的環境に分けています。
物的環境
・子供に合わせたサイズにする
・いつも決まった場所にものが置かれている
子どもがやりたいと思ったことを自分でできる環境を作るよう意識してください。
子どもが扱いやすい小さなコップ、小さいほうき、小さなお盆…など、子どもに合わせたサイズにすることで、子どももやりたいことに集中できます。
子どもは成長しますので、
気がついたらサイズが合わなくなっていた
必要なくなっていた
ということがあります。
定期的に点検してみてください。
また、道具が多すぎると子供は区別するのが大変です。
黄色の雑巾は机をふく、青い雑巾は床をふく、など、色で分けるのがおすすめです。
人的環境
周りの子どもから学ぶ
小さい人は少し上の年齢の子どもがやっていることを見て、先の見通しを持つことができます。
また、年齢が上の子どもは小さい人を助けようとします。
昔は子どもの数が多く、近所のお兄さんやお姉さんのやっている姿を見てやり方を覚えることができました。
また、自分より年下の子たちに教えてあげることで、理解が深まりました。
現代はそのような環境があまりありませんので、可能であれば異年齢で過ごす環境を用意してみてください。
私が主催している教室では、そのような環境を用意することも目的としています。
たとえば、私の子どもは何回私が折り紙を紹介しても、ほとんど興味を持ちませんでした。
ところが、幼稚園に入ると年長さんが楽しそうに折り紙をしている姿を見て、折り紙を折るようになりました。
お姉さんたちがおり方を教えてくれたので、だんだん1人で折るようになりました。
さらに、探究教室で小学生のお姉さんが折り紙で立方体を折っていたのを見て、さらに複雑な折り紙に興味を持つようになりました。
私がやったのは、
・折り紙が好きな年上の子と出会う環境を用意したこと(これは全くの偶然ですが)
・子どもに合った折り紙の本を用意した
・折り紙を部屋に置いておいた
など、環境を用意しただけです。
もちろん、同じ年齢の子同士でも学ぶことはできます。
楽しそうにしている人の姿を見ると、「楽しそうだな」「やってみようかな」という気持ちになりやすいでしょう。
大人は教えこむのではなく援助する
モンテッソーリ教育では、先生も環境の一部です。
従来の教育では、大人が一方的に子どもに教え、上下関係がありました。
モンテッソーリ教育では、大人は子どもが自分の力で生きようとすることを助ける援助者です。
ただ教具を教えるだけの先生は、モンテッソーリ教育では先生と呼ばれません。
先生は子どもの心を支え、謙虚な姿勢でいることが求められます。
他にも、次のように子どもと関わるとよいとされています。
・自分が悪い時は自分から謝ることができる
・大人と話す時と同じように子供と話す
・子供を観察し、その子に合った環境を整える
・褒めすぎないようにする
・干渉しない
・言うべき時に教える
「褒めすぎないように」というのは、大げさに褒めると褒められたいためにやるようになってしまうからです。
かといって、褒めないと決める必要もなく、さりげなく声をかけるとよいでしょう。
「干渉しない」というのも難しいです。
子どもを尊重するというのは、こどもの好きなようにさせることとは違います。
子どもを干渉する時としない時を見極めるのはとても難しいですが、いろいろやってみることでわかることもあります。
子どもが間違ったときには、否定するのではなく、正しいやり方を子どもに見せ、子どもが自分で気づけるような働きかけもできるとよいです。
モンテッソーリは
教えながら教えなさい 否定しながらではありません
と述べています。
自ら育つ力を子どもが自分で育てる手伝いを大人ができるとよいですね