絵本を使って内容を理解する方法~物語編

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このページでは、「物語」の読み方についてご紹介します

物語の基本の型を知っていることで、どのような部分に注目して読めばよいかがわかるようになり、より内容について理解することができます。

目次

物語の基本の型

小学校で扱う物語の形は、ほとんど決まっています。

主人公(中心人物)が誰か(対人物)と出会ったり、何か事件
に遭遇することによって変化する
というものです。

絵本や子ども向けの本の主人公は、子どもであることが多いです。
「子どもの変化」をもっと別の言い方をすると、何だと思いますか?

「成長」です。

中学校や高校の入試問題でも、子どもが困難を乗り越え成長す
る物語
がよく出題されています。

ですから、物語を読むときには主人公(中心人物)の変化、特に「成長」に注目して読
んでみてください。

物語を読む10の観点

物語を読むときには、次の10個の項目について注目してみてください。

① 時・場所
② 登場人物
③ 中心人物
④ 語り手
⑤ 出来事
⑥ 大きく変わったこと
⑦ 三部構成
⑧ 話の図
⑨ 一文でまとめる
⑩ おもしろさ

それでは、くわしく見ていきましょう。

① 時・場所

時・場所の移り変わりを理解することで、設定を理解し、全体
の構成をとらえることができます。

難しく考えずに、時間や場所が変わるところを意識して読んでみてください

② 登場人物

本を読んでいると、登場人物にあたるかどうか迷う場合が出てくると思います。

登場人物かどうかは、「人間のように動いたり、話したりする人や動物、物」で判断してください。

ですから、物であっても人間のようにしゃべったり動いたりしていれば、登場人物です。

名前だけ登場する人物を子どもは登場人物とカウントしたりするのですが、実際に登場してしゃべったり動いたりしていないので、授業では「違いますよ」と伝えますが、家で読むときはお子さんが言っても否定せずに聞いてあげてください

③ 中心人物

「中心人物」は、主人公とは少し違っていて、「物語の中で一番大きく変わった人物」のことです。

物語は、中心人物が対人物に出会って変化します。
ですから、中心人物のように感じても、変化していなければそれは中心人物ではありません

どうしても見分けがつかない場合は、「語り手」が誰の立場に寄り添っているか確認してみましょう。

④ 語り手

「語り手」は、大きく分けて「一人称視点」と「三人称視点」があります。

「一人称視点」は、「わたしは~だった。」「ぼくは~と思った。」というように、語り手が人物の中に完全に入り込んで人物の気持ちを表現します

「三人称視点」は、「Aは~した。」「Aは~思った。」というように、語り手が物語の外にいる状態です

物語の外にいますが、Aという人物に視点を固定して行動や気持ちを描いていたら、Aが中心人物です。

⑤ 出来事

「出来事」は事件ともいいます。
中心人物が変化するきっかけとなる出来事です。

⑥ 大きく変わったこと

「大きく変わったこと」は、最初と最後で中心人物が大きく変わっていることを見つけます。
また、この部分が物語のクライマックスになることもあります。

⑦ 三部構成

「三部構成」は、物語を「はじめ・なか・おわり」の三つに分けます

はじめ …中心人物の紹介や背景の説明の部分。
なか  …中心人物と対人物が出会うことで物語が展開し、中心人物が大きくかわるところまで。
おわり …人物が変化したあとの、まとめの部分。

三つに分けるときは、「時間」や「場所」「人物」が変わったところに注目してみてください
お子さんと一緒に考えるときは、「なぜそこで分かれると思うのか?」と理由を持って答えられれば大丈夫です。

⑧ お話の図

「お話の図」は、物語全体の構成がひとめでわかるように図にしたものです
中心人物が対人物と出会い、どのように変化していったかをまとめたり、登場人物の関係を表にしたり、物語を逆から読んでいく「逆思考の読み(うしろ読み)」の図を書いたりします。図の書き方についてはまたご説明します。

⑨ 一文で書く

「一文で書く」は、物語をまとめることです。

(中心人物)が(対人物・出来事)によって(変化)になる話

という型を覚えて置き、( )の中に入れるとうまくまとめる
ことができます。
これは、主題(物語のテーマ)にもなります

⑩ おもしろさ

「おもしろさ」は、笑えるという意味ではなく、設定のお
もしろさや言葉の使い方など、技術に関すること
です。

たとえば、
・登場人物たちは知らないが、読んでいる私たちだけが知って
いる
・不思議な世界(ファンタジーの世界)に入る
・物語の中に物語が入っている。
などが「おもしろさ」に当たります。

たくさん紹介しましたが、覚える必要はありません。
物語を読みながら、いろいろな視点でぜひ読んでみてください。
そして、クイズや問題を作るときにはこれらを参考に作ってみてください。

「問題を作るのが難しい」という方のために問題も用意していますので、ぜひ活用してみてくださいね!

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